「京都 抹茶」で検索して、本物の茶屋は何番目に出るか

Googleで「京都 抹茶」と打った。

最初の画面

広告が3つ。抹茶体験の予約サイト、観光アプリ、旅行代理店。

その下に「おすすめ15選」という見出しのまとめサイトがある。開くと、抹茶体験のアフィリエイトリンクが並んでいた。クリックして予約すると、紹介報酬がサイト運営者に入る仕組みだ。「おすすめ順」ではなく「紹介報酬順」の可能性がある。断言はできないが、わからない時点で問題だと思った。

地図パックには口コミ件数が多い順に茶屋が並ぶ。観光客が多い店は口コミが集まりやすい。宣伝が上手い店も同じだ。口コミが多い店と、いい店は、別の話だ。

ここまでの画面に、本物の茶屋のサイトは1つも出ていなかった。

20番台

「本物の茶屋」の定義を決めておく。チェーンではなく、店主がやっている。代々続いている。あるいは自分の畑を持ち、自分で茶を作っている。そういう店のことだ。

祇園で100年以上続く茶屋を1つ探した。「京都 抹茶」では20番台に出てきた。

宇治で自分の畑を持つ茶師のサイトも探した。3ページ目にあった。そもそもサイトを持っていない茶師のほうが多い。一方で、その茶師の茶葉を仕入れて「こだわりの京都抹茶」として売っているECサイトは1ページ目にいた。作った人と、紹介している人の順位が逆転している。

なぜ逆転するのか

現在の検索アルゴリズムは、被リンク数、更新頻度、サイトの規模をシグナルにしている。

茶農家のサイトは更新頻度が低い。被リンクも少ない。外部からリンクを貼る人がいないからだ。SEOの知識もない。広告費もない。

まとめサイトは逆だ。記事が多い。被リンクが集まる。更新頻度も高い。京都に店を持っていない。抹茶を作ってもいない。でも検索には強い。質でランキングされていない。金と量でランキングされている。

AIに聞いたら

「京都で本当においしい抹茶が飲める茶屋を教えて」とChatGPTに聞いた。

返ってきたのは、観光ガイドに出てくる名前だった。じゃらんやトリップアドバイザーで評価が高い店。Google検索の上位に出てくる店とほとんど重なっていた。

AIはWeb上のテキストから学習している。元のデータが広告とアフィリエイトで歪んでいれば、回答も同じように歪む。元が変わらない限り、聞く相手を変えても結果は変わらない。

抹茶だけの話ではない

「京都 抹茶」は1つの例にすぎない。

「大阪 工務店」で検索するとポータルサイトが上位を占め、腕のいい棟梁のサイトは埋もれている。「福岡 魚 仕入れ」では情報サイトが並び、朝市で仕入れている鮮魚店は出てこない。「長野 農家 直販」ではECモールが上位にいて、農家の直販サイトは見つからない。

構造は同じだ。本物を作っている人が見つからない。見つからないから売れない。売れないから続けられない。どの業界のキーワードでやっても、たぶん同じ結果になる。


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